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コラム

健康経営優良法人の要件にストレスチェックはどう影響する?認定に直結する活用術

企業のブランド力向上や採用力強化に直結するとして、年々注目度が高まっている「健康経営優良法人」。申請の準備を進める中で、「ストレスチェックは、認定の審査にどう影響するのだろう?」と疑問に思う担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、健康経営優良法人の認定要件におけるストレスチェックの位置づけと、単なる「やりっぱなし」で終わらせず、認定取得やスコアアップに直結させるための具体的な活用術を解説します。

なお、弊社・情報基盤開発では「ストレスに悩まない職場をつくる」のスローガンのもと、7年連続で本認定制度を取得しております。(参考記事はこちら

健康経営優良法人認定制度とは?

健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
経済産業省が制度設計を行い、日本健康会議が認定しています。

本制度は、企業の規模に合わせて「大規模法人部門(上位法人はホワイト500)」「中小規模法人部門(上位法人はブライト500)」の2つに分けられています。ストレスチェックでは50人以上・50人未満で分けて語られることが多いですが、本制度はその点で異なります。

混同して申請先を間違えないよう、自社がどちらに該当するかを確認しておきましょう。

業種大規模法人部門中小規模法人部門
製造業・その他301人以上1人以上300人以下
卸売業101人以上1人以上100人以下
小売業51人以上1人以上50人以下
サービス業・医療法人等101人以上1人以上100人以下

※資本金や出資金額による判定基準も用意されているため、正確な分類は公式ポータルサイト等でご確認ください。

認定取得までの申請フロー

  • 次年度の申請概要の固まった夏ごろから準備を開始
  • 経済産業省のポータルサイト「ACTION!健康経営」で申請用IDを取得
  • 調査票を入力
  • 申請期限(例年10月ごろ)までに申請

大規模法人部門の認定要件

2026年度(令和7年度調査)より、大規模法人の審査基準は一段と厳しくなりました。評価項目数が17項目へ増えた一方、合格に必要な適合数も1項目引き上げられたため、「従来のように苦手項目を後回しにする」という余裕がなくなっています。う流れになります。

  • 通常の認定:17項目中 14項目以上(昨年:16項目中13項目)
  • 上位認定(ホワイト500):17項目中 16項目以上が目安

ホワイト500は単なる適合数だけでなく、労働生産性(プレゼンティーズム等)の数値開示や、経営会議における具体的な意思決定プロセスといった人的資本経営の質がスコアリングに大きく影響します。そのうえで総合評価の上位500社に入る必要があります。

基準が14項目に引き上げられた今、記述の難易度が高い項目での失点を想定し、体制さえ整えれば確実に1点が取れる項目(Q37:小規模拠点の実施など)を確実に押さえることが、不認定を避けるための最優先戦略となります。

中小規模法人の認定要件

健康経営優良法人2026では、中小規模法人部門の評価項目が15から17項目へと拡充されました。合格ラインも引き上げられましたが、選択肢が増えたことで、より自社の実情(女性活躍、シニア支援、DX活用など)に合った項目を選んで得点しやすくなっています。

  • 通常の認定:17項目中 8項目以上(昨年:15項目中7項目)
  • 上位認定(ブライト500):17項目中 16項目以上が目安

ブライト500は、適合数に加え「フィードバックシートの開示」や「地域への健康経営の波及」といった独自要件を満たした上で、総合評価の上位500社に入る必要があります。

まずは必須項目をクリアした上で、17項目の中から自社が取り組みやすい8項目を戦略的に選ぶことが重要です。2028年の義務化を見据えたストレスチェックの先行導入は、確実に1点を確保するための有効な手段となります。

中小規模法人の主要な変更点と新設項目:ストレスチェックの活用例

2026年度からは、「予防的アプローチ」と「多様な働き方」がより重視されています。
ストレスチェックをどう活用するかも併記していますので、参考にしてみてください。

心の健康保持・増進(名称変更)

メンタルヘルス不調への対応から名称が変更されました。予防という側面から、積極的に組織全体の活力を高める意味合いに。「なんとなく元気がなく、パフォーマンスが上がらない(プレゼンティーズム)」状態の蔓延は組織の活力を削ぐ要因となります。予防と増進をセットで評価することで、活気ある組織文化の醸成を促しています。

ストレスチェックの集団分析を職場環境改善に活かし、従業員がいきいきと働ける環境を作る姿勢が、生産性向上の観点から高く評価されます。

育児・介護の両立支援(正式要件化)

これまで「適切な働き方の実現」の中に含まれていた内容が独立し、正式な評価項目となりました。中小企業において、育児や介護による突然の離職は大きなインパクトを及ぼします。「制度が用意されているか?」「利用しやすい風土が形成されているか?」は、健康経営の重要な条件と言えるでしょう。

ストレスチェックの結果を性別・年代別、雇用形態別など細かく分析することにより、ワークライフバランスが取りやすい職場かどうか、育児・介護などとの両立に不安を感じている層が集中していないかなど、課題を早期発見できる可能性が高まります。

高年齢従業員への配慮

人手不足によりシニア層の活躍が欠かせない中小企業では、高年齢従業員が安全に長く働ける環境づくり(エイジフレンドリー)が問われます。加齢に伴う心身の変化(体力低下や認知機能の変化など)を組織として正しく理解し、個々の状況に応じた柔軟な働き方を提示できているかが評価のポイントです。

ストレスチェックの結果を年代別で分析することで、ベテラン層特有の身体的負担感や役割の変化によるストレスを数値化でき、それに基づいた無理のない業務配置や環境整備(転倒防止対策など)を行う実効性の高いエビデンスとなります。

プレコンセプションケア(新設)

将来の健康やライフイベントを見据えたプレコンセプションケアに関する情報提供やウェビナー開催が、新しいトレンドとして追加されました。性別を問わず全世代に配慮した人生設計に寄り添う姿勢を示すこの項目は、若手人材の採用において大きなアピールポイントになります。

ストレスチェックで若手層の将来への不安やセルフケア能力を把握し、それに応じたウェビナー開催や情報周知を行うことで、施策の妥当性を証明するストーリーとして提示できます。

認定要件におけるストレスチェックの位置づけと3つのポイント

健康経営優良法人の認定要件において、ストレスチェックは、大前提となる「必須要件(法令遵守)」と、スコアを稼ぐ「加点項目」の2つの側面を持っています。

最新の令和7年度(2026認定向け)調査票に基づき、大規模・中小規模の各部門でまずは認定を確実なものにし、さらに上位認定(ホワイト500・ブライト500)へのステップアップに活かすための3つのポイントを解説します。

<調査票>
令和7年度 健康経営度調査(大規模法人部門)
健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)認定申請書

①【認定の必須項目必須要件】大前提となる「50人以上の事業場での実施」要件を確実にクリアする

  • 両部門共通
    認定のスタートラインは、労働安全衛生法に基づく法令遵守です。どちらの部門に申請する場合も、絶対にクリアしなければならない「必須要件(誓約事項)」として、「常時50名以上の従業員がいる事業場でのストレスチェック実施」が求められます 。未実施の事業場があれば法令違反となり、その時点で認定対象外となります 。

②【認定の評価項目】「50人未満の事業場」へ実施範囲を広げ、評価項目の要件を満たす

  • 大規模法人部門
    認定要件を満たすには、指定された「16ある評価項目のうち14項目以上」をクリアするという非常にシビアな基準が設けられています 。調査票(Q37)で50人未満の事業所で未実施の場所があると、この設問は不適合となり、たった2つしかない「落とせる枠」を消費してしまいます。認定を確実にするためには、全事業場で確実にストレスチェックを実施しておきたいところです。
  • 中小規模法人部門
    調査票における評価項目「①従業員の健康診断の実施(受診率実質100%)」「②受診勧奨の取り組み」「③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施」の3項目のうち、「2項目以上」をクリアする認定要件があります 。①健診の実施も決してハードルの低くはないため、ストレスチェックを確実に実施できれば強力な得点源になります。

③【上位認定向け】集団分析を活用し、要件にあるKPIとして結果を開示する

  • 両部門共通
    大規模法人部門(Q66)および中小規模法人部門(Q13 SQ2)の調査票では、ストレスチェックの集団分析を実施しているかどうかが問われます 。さらに、その結果を単なるデータとして終わらせず、「職場環境改善に活用している」ことが認定要件における評価の対象となっています 。
  • 大規模法人部門
    社外に開示している実績値として「ストレスチェック受検率」や「ストレスチェックの集計結果 (高ストレス者率等)」が明記されています(Q18 SQ2)。これらの指標を社外開示し、そのURLを調査票(Q18 SQ5)に記載することが評価に直結します 。また、中小規模法人部門において上位認定(ブライト500)の要件を目指す場合も、調査票(Q40)にて「健康状態に関する身体的心理的指標(健康診断受診率、ストレスチェックの集計結果等)」を自社から発信しているかどうかが問われます 。

これらの最新の認定要件(調査票の設問内容)からも明らかなように、ストレスチェックは法令義務の範囲を越えて全社で実施し、そのデータを分析・開示して職場環境の改善に繋げることが、認定審査をクリアするための重要なプロセスとなります。

取組事例(認定取得を目指しストレスチェックを導入した企業の例)

※本事例は、従業員数50名未満の企業が自主的にストレスチェックを導入し、健康経営優良法人の認定と採用力強化に繋げた実際のケースです(アオケン株式会社様)。

  • 事前の課題:コロナ禍を経て採用活動のオンライン化が進む中、求職者に自社の魅力をアピールするため「健康経営優良法人」の認定取得を目指し始めました。しかし、要件を確認したところ大半の施策は実施できていたものの、従業員数50名未満のため法的義務がなく、唯一「ストレスチェック」のみが未実施の課題として残っていました。
  • 実施した対策: 50名未満の規模でもコストを抑えて利用できるストレスチェックサービスを選定し、全従業員を対象に初めてのストレスチェックを導入・実施しました。
  • 結果と認定への直結:
    唯一の課題であったストレスチェックを実施したことで、健康経営優良法人の認定要件を無事にクリアすることができました。また、メンタルヘルス対策を含めた健康経営の取り組みを外部へアピールできるようになり、採用活動においても求職者からの好評価を得るという大きな成果に繋がっています。

【参考記事】導入事例:アオケン株式会社

これらの取り組みからもわかるように、実施義務のない規模の企業であっても積極的にストレスチェックを導入することは、認定要件を満たすだけでなく、採用力強化という経営課題の解決にも直結する有効な手段といえます。

【無料お役立ち資料】健康経営に活かせる職場改善事例集を掲載

健康経営優良法人の認定に向けては、ストレスチェックの実施範囲を広げるだけでなく、その結果を「いかに職場環境の改善に繋げたか」という具体的な施策の実行がスコアを左右します。

弊社の提供する「ストレスチェックPRO」では、50人未満の小規模事業場を含めた全社一斉の実施から、詳細な集団分析レポートの作成までを直感的なシステムで強力にサポートします。 

また、本記事で触れたような集団分析の読み解き方や、健康経営の評価に直結する具体的な職場環境改善のアイデアをまとめた実務事例集をホワイトペーパーとしてご用意しています。認定取得に向けた自社の取り組みのヒントとして、ぜひお役立てください。

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