従業員の数が50人に近づき、初めてストレスチェックのシステム導入を検討し始める企業は多いかと思います。しかし、いざ準備を進めようとすると「産業医に実施者を断られた」「人事担当者が業務過多になってしまった」など、初めて義務化に直面する企業ならではの壁にぶつかるケースも少なくありません。
特に、初めてストレスチェックを運用する際には、制度特有の複雑な役割分担を正しく理解し、外部サービスをうまく活用することが担当者の負担を減らすカギとなります。本記事では、初めての導入でも失敗しない「実施者代行」の基本と代行業者の選び方を解説します。
ストレスチェックにおける「実施者」と「実施事務従事者」の違いとは?
まずは基本的な用語からおさらいしましょう。
ストレスチェックの制度上、企業内に必ず設置しなければならない重要な役職が2つあります。役割を正しく理解していないと、意図せず法令違反を招く恐れがあるため注意が必要です。
「実施者」とは「資格をもった専門家」のこと!
実施者は、実施されるストレスチェックが専門的な見地から適切かを意見し、対応する役職です。心理についての専門的な知識が求められるため、専門資格を持った専門家に限定されています。
- 医師
- 保健師
- 厚生労働省が定める検査を行うために必要な知識についての研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士又は公認心理師
(※平成30年8月9日に歯科医師及び公認心理師が追加されました)
50人以上の事業場の場合、すでに契約している産業医に依頼するのが一般的ですが、契約形態によっては実施者の業務が行なえない場合があります。
「実施事務従事者」は社内の実務担当者
実施事務従事者は、その名の通り実施に必要な事務を行う担当者です。特別な資格は不要ですが、従業員の氏名や実施結果といった、本人の同意なしに閲覧できない要配慮個人情報を取り扱うため、非常に厳しい要件があります。
それは、「人事権」(決定権、もしくは一定の判断を行う権限を持つ人)のある人は、実務に携わることができないというルールです。結果として限られた人員が担当することになり、事務負担が集中しやすい構造になっています。
実施者代行で「丸投げ」できる業務の範囲
自社で産業医などの実施者を確保できない場合、外部の専門機関に実施者代行を依頼することが法律で認められています。
弊社の実施者代行サービスをご利用いただく場合、社内に有資格者がいなくても、弊社所属の精神保健福祉士等が実施者を担います。具体的には、厚生労働省のマニュアルで定められている以下の専門的な実務をすべて一任することが可能です。
- 調査票・評価方法のチェック
使用する調査票や高ストレス者の評価方法が、自社の内情や職場環境に合っているかを検証する手間のかかる実務です。企業が独自に判断するのは困難ですが、弊社の専門家がこのチェックを代行。医学的・科学的な見地から妥当性を保証します。 - 選定基準についての意見表明
基準を衛生委員会で決定する際に義務付けられている実施者による「書面での意見提出」を、有資格者が専門家として代行します。 - 面接指導の要否判断
個人のストレスチェックの回答結果から、医師による面接指導を受けさせる必要があるか否かを個別に判断します。 - 労基署への報告書作成サポート
厚生労働省のマニュアルで実施者が行うと定められた事項をすべて網羅し、労基署への報告書作成まで対応します。
実務工数はもちろん、自社の基準は正しいのか?と手探りで運用するプレッシャーから完全に解放されるため、担当者の工数は大きく削減されるでしょう。
負担を激減させる代行業者の選び方
実施者代行サービスを提供する業者はさまざまですが、選び方次第で社内に残る事務負担は大きく変わります。
まずは「実施事務従事者」の作業も自動化できるシステムかどうかを必ず確認しましょう。専門家による代行だけを頼んでも、紙の調査票配布やデータ入力といった実務作業が自社に残っては意味がありません。WEB上で従業員が回答し、結果が自動で本人に通知されるシステムとセットのサービスを選ぶことで、実施事務従事者の負担は劇的に下がります。
また、専門家の顔が見え、サポート体制が整っているかも重要です。単なる名義貸しではなく、実務経験豊富な有資格者がしっかりとサポートに入り、高ストレス者の判定から面接指導へのつなぎ込みまで伴走してくれる体制がある業者を選びましょう。
さらに、長く運用していくうえで料金体系の分かりやすさも見逃せません。従業員一人ひとりに対して従量課金されるシステムだと、規模が大きくなるにつれてコストが膨れ上がってしまいます。「1事業場あたり〇〇円」といった、予算が立てやすい定額の代行料金を設定している業者が安心です。
【事例】実施者代行を活用して事務負担を9割削減したC社のケース
※本内容は、一般的な課題解決のプロセスを想定したモデルケースです。
Before
C社は従業員が50人を超え、初めてのストレスチェックに向けて準備を進めていました。しかし、契約している内科の産業医から「メンタルヘルスは専門外」と実施者を辞退されてしまいます。さらに、総務人事部長は人事権の制約により実務に触れることができず、入社2年目の若手担当者がたった1人で全従業員分の作業を抱え込む事態に陥りました。
After
そこでC社は、WEB回答システムとセットになった弊社の実施者代行サービスを導入。 弊社の精神保健福祉士が実施者として基準の策定や判定をすべて代行し、WEBシステムの導入により調査票の配布から結果通知までの流れも自動化されました。結果として、若手担当者の作業は未回答者へのリマインドメールの設定程度にとどまり、当初想定されていた事務負担を50.0パーセント以上削減することに成功しました。
初めてのストレスチェックで発生する「実施者探し」と「担当者の業務過多」という問題は、外部の専門家とシステムを組み合わせることで一気に解決できます。法的なルールを正しくクリアしながら、社内のリソースを最小限に抑えて運用を軌道に乗せるためには、自社だけで抱え込まずにプロを頼ることがもっとも確実な選択肢となります。
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事業場の従業員が50人を超えると、ストレスチェックの実施だけでなく「産業医の選任」や「衛生委員会の設置」など、企業が負うべき労働法令上の義務が一気に増加します。これらの全体像を把握せずに対策を後回しにすると、労働基準監督署への報告義務を怠ることになり、安全配慮義務違反などのリスクを抱えることになりかねません。
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